有袋類の顎関節

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　いわゆる爬虫類の顎の関節は，方形骨（quadrate）と関節骨（articular）によって構成される（コルバート他,2001）。哺乳類では，進化する過程で，これらの骨は耳小骨として中耳に取り込まれてしまい，顎関節が鱗状骨（squamosal）と歯骨（dentary）に変わる（コルバート他, 2001）（詳細に興味のある方はKemp（1982，2005）を参照）。つまり，哺乳類の顎関節の構成骨は鱗状骨と歯骨というのが定番である。ただ，おもしろいことに，有袋類は頬骨（jugal）が大きく，顎関節の前方部に関与するようになる（Carroll, 1988）。

Carroll RL 1988: Vertebrate Paleontology and Evolution. W. H. Freeman and Company, 　　　　New York.

コルバート EH, モラレス M, ミンコフ EC 2001: コルバート　脊椎動物の進化，第5版。築地書館。（Colbert’s 　Evolution of the Vertebrates Fifth Edition. Wiley-Liss, New York）

Kemp TS 1982: Mammal-like Reptiles and the Origin of Mammals. Academic Press, London.

Kemp TS 2005: The Origin and Evolution of Mammals. Oxford University Press.